酒蔵のオンラインツアー、聞いたことはあるけどどんな感じなんだろう・・・?
日本酒が好きで気にはなるけどイメージが湧きづらいなあ・・・、そんな方へ!
山形庄内町観光協会と同町の酒蔵「佐藤佐治右衛門」の共同企画として催行された、【蔵元と飲み比べ&酒造見学オンラインツアー】の様子を当日の写真とともにお届けします。
参加したツアーはこちら ※当記事はゲストライターよりご執筆いただきました。
【父の日ギフトに】
山形県庄内町のレアな夏酒をお届け!蔵元と一緒に飲み比べ&酒造見学ツアー
ツアー開始前
わくわくしながら待つこと数日、届いた小包からお酒を取り出して・・・・更にワクワク。
中に入っていたのは・・・
【純米酒 やまと桜 300ml】 原料米:出羽きらり 精米歩合:65% 1本 【本醸造(生)やまと桜 300ml】 原料米:出羽きらり 精米歩合:65% 1本 【吟醸(生)やまと桜 300ml】 原料米:夢ごこち 精米歩合50% 1本 ・やまと桜オリジナル おちょこ 1個 ・おつまみ(日本海産ホタルイカ姿干)1袋 ・庄内町パンフレット
直前まで冷蔵庫でしっかり冷やしておいたお酒と、自分でも準備したおつまみを並べてツアー用URLをクリック。マジカルミステリーツアーの始まりです!
お、画面はGoogle Earthに切り替わって、山形まで飛行機でひとっ飛び。
【第一部】酒蔵見学&庄内町ビデオ探索
こんにちは!とにこやかに、案内人の國本さんご登場。
國本さんは庄内町地域おこし協力隊の観光PRご担当、米農家さんに嫁いで庄内町に移住したそうです。「山形県海沿いの人口2万人の庄内町には月山の山頂もあり、その雪解け水の綺麗な川が流れ、『つや姫』や『はえぬき』など美味しいお米がとれるのですよ。綺麗な水と美味しいお米といえば美味しいお酒!!」と、魅力的な語り口。
町内にある2つの酒蔵のひとつ「合名会社 佐藤佐治右衛門」へご案内いただきました。
代表の佐藤元(はじめ)さんは酒蔵の8代目代表社員、12年間杜氏も務めました。
端正できりり、とても男前で素敵な蔵元さんです。
まずは、何よりもということで・・・参加者全員で、佐藤さんの威勢のいい音頭で乾杯!
ホタルイカのおつまみに合う、純米酒「やまと桜」が、すーっと喉を降りて五臓六腑に沁みる。
ああ幸せ!
蔵元「佐藤佐治右衛門」は、1890年(明治23年)創業。
代表銘柄「やまと桜」は日本民族のルーツ「倭(やまと)」と、日本を代表する花「桜」から命名。「食事に合う、飲み飽きない酒」にこだわって、丹精込めて年間200石を生産する山形県にある50数軒の中でも小さな蔵だそうです。
酒蔵の全工程が分かるビデオを鑑賞してから、佐藤さんの説明が始まります。
酒造りは、1.麹 2.酛(もと=酒母)3. 造り(もろみ)。
山形特産の米を洗ってから水に浸け、30数%水を吸わせてから蒸す。
大吟醸の場合は数百キロもの米を使うものの、お酒になるのはほんのわずか。
だから日本酒は高い!のだそう。
仕込みをする冬期にのみ使われる麹室(むろ)の中に入っていきます。
蒸し米に麹菌を振りかけて麹をつくる際、室内は非常に暑くなるとのこと。冗談を交えながらご説明いただきました!
タンクトップでの重労働、24時間以上かけてようやく麹ができます。
次は酛=酒母づくり。
乳酸を少量加えるのは、雑菌の侵入繁殖を抑えるためだそう。
蒸し米を加え、攪拌しながら徐々に温度を上げていきます。
続いて、醪(もろみ)の工程。作業中は厳格な温度管理が求められるのだとか。
外の菌が入ってこないように酒造り時期は衛生管理が重要、ちなみに職人さんたちは納豆やヨーグルトを食べるのは御法度だそう。
作業場の足下に目を落とすと、床は真っ黒です。
出来上がった醪(もろみ)、次の「上槽(じょうそう)」工程で清酒と酒粕に分離させます。
搾り出した清酒を大容量の貯蔵タンクに注入していきます。
貯蔵タンクでの熟成を経ることで旨味や香りが増し、ようやくびん詰めされます。
【第二部】「やまとざくら」の試飲と懇親
さあ、いよいよお待ちかねの「やまと桜」3種類の利き酒TIME!
喉がなります。
プロが行う利き酒のコツを伝授いただきながら、それぞれの特長のご説明です。
純米酒は、「山形の酒米『出羽きらり』を65%まで削り、米の上質な旨味とボディ感」 本醸造(生)は、「アルコール低め。生なのでで冷やすとすっきり、夏にかろやかに飲める。」 純米吟醸(生)は、「『出羽燦々』を50%に精米、柔らかくほのかな香りで食事にあう。」
「やまと桜」のこだわりは、味・香りがほどよく調和し食事を邪魔せず引き立てるお酒。
なるほど、飲んで実感。それでは、どんな食とのペアリングが楽しめるのでしょうか?
この後、参加者は数人ごとのグループへと別れました。日本各地からの参加者同士で、好きなお酒や準備したおつまみ、山形の魅力など、ほろ酔い気分で話が盛り上がります。
そして今度は、佐藤さんとの質疑応答タイム。
山形の米の特長、精米度合い、温度での違い、ソムリエの利き酒との違い、普段飲むお酒、酒蔵どうしの交流、日本の地域によってのお酒の違い・・・・話は尽きませんでした。
おわりに
90分のツアーは、あっという間。本当に、時空を超えて楽しい時間でした。
酒蔵「佐藤佐治右衛門」は、事前予約で見学可能(冬の仕込み時期は除く)とのことで、参加の皆さんからは「今度はぜひ酒蔵に行って乾杯したい!」と声が上がりました。
米、水、麹、蔵人、全てが山形。ワインのシャンパンやボルドーのような地理的表示(GI:Geographical Indications)もできるそう、まさにAll Ymagataの誇りを感じます。
酒蔵ツアーの途中では観光PRビデオで、庄内町の風光明媚な自然や歴史と伝統や地元の方々の暮らしを、美しい映像と地元の音楽協力隊による素敵な音楽とともに鑑賞しました。「観ているうちに、感動して泣けてきました・・・。」との声もあがりました。
ああ、早く行きたいなあ、庄内町!
【ゲストライター】
岸原文顕(きしはら ふみあき)
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30年以上にわたり、国内外の様々な酒類のマーケティングや商品開発に従事。
世界3大ビールブランドのバドワイザー、ハイネケン、ギネスや洋酒類のブランドマネージャーを歴任。
居住したカナダ、香港、上海を拠点にして、世界各地の飲食文化に触れる。
2017年から京都に居住して、日本各地や世界に向けてクラフトビールの魅力を発信しつつ、未来型のビール文化の創造に取り組む。
現在は、グローバルマーケティング・リサーチの仕事を通じてNIPPONの素晴らしいブランドの海外展開に挑戦中。
ソムリエ(日本ソムリエ協会)、H.B.Aカクテルアドバイザー、全国通訳案内士(JapanWonderGuide)
付録
山形県庄内町・國本さん ほむすびインタビュー Vol.1